どうも!
今週は日本から上司がシンガポールに来ており、毎晩わけのわからない寝言や笑い声で起こされております、トムです。
ざっくり読むための見出し
Dr.ストレッチ全店舗リニューアルオープン
こうやって書けば非常にかっこいい事なのですが、でも実は中身は意図せずにこんな事態となっていました。しかし、無事に本日2月23日のパヤレバにあるシングポスト店のリニューアルオープンで現在3店舗すべてリニューアルオープンが完了しました。なかなかしない経験をさせて頂いたので、ちょっと簡単にここでまとめておこうと思います。今後シンガポールでマッサージライセンス下でビジネスを考えている方にとっては参考になるかもしれません…。(ただあくまで実体験に基づく見解であり、学びなのでご自身で正誤確認はちゃんと行ったうえで参考にしてください。)
シンガポールの営業ライセンス
シンガポールでビジネスを行う上ではなにかしらの営業ライセンスを取得する必要があります。Dr.ストレッチは、「ストレッチ」という区分は存在しないので、「フィットネス」もしくは、「マッサージ」のどちらかの区分に分類されるということで、警察からの指示により、マッサージライセンスに区分されました。理由としては、お客様に直接触れて施術を行うこと、ベッドを使用することなどが挙げられるようです。
このマッサージライセンスは、シンガポールのライセンスの中でもかなり厳しいものです。理由としては、やはり中にはいかがわしいお店のマッサージ店も存在する為、しっかりと差別化を図るために厳密に規制されています。しかも、数年前のカリフォルニア・フィットネスの撤退をきっかけに料金の前受制度にはより一層規制が厳しくなり、Case機関(準政府機関)の利用か、保険への加入が義務図けられています。ここの話は今回は割愛します。
この私たちが取得しているマッサージライセンスが2018年3月に急な変更がなされました。その変更によって少しマッサージカテゴリー内での区分の線引きに変更が加えられたり、店舗と別に取得義務のある個人のマッサージライセンス取得者の割合が、80%から100%に引き上げられたりと、より一層ビジネスがやりにくい環境となりました。しかし、その中で今回のリニューアルのきっかけとなった変更があります。
それが、店舗のライセンスが紐づくものです。今までは、店舗の営業ライセンスは、会社に紐づいていたのですが、それがこの変更によってライセンス取得者(通常Director)個人に紐づく形となりました。通常であれば何の問題もなく、「ただ変更しましたよ。」で終わる内容なのですが、僕たちにとっては大打撃となってしまいました。
Director変更には要注意
2018年5月に前任のMD(Managing Director)から名義が僕に変更が行われていました。そしてそのまますぐに前任は帰国(5月待たずして帰国…(笑))したため、EP(就労VISA)は返還されていました。その為上記に述べたライセンス取得者は、前任のNさん。現在のDirectorは僕という構図ができました。お店や会社を経営していれば、代表が変わるなんて普通にありえそうな話ですが、シンガポールのマッサージライセンス下においては要注意です。
マッサージライセンス取得者が変更される場合は、再申請の上取得し直しとなります。これが今回のマッサージライセンス変更内での1つの大きな変更でした。あまりにも理不尽で納得いかず、何度も警察に通い、コンサルタントも通して説明を求めました。仮に、引継ぎミスでこういった事態が引き起こされたのであれば、それはこちらのミスであり、納得いきます。しかしどうも説明を聞いていると、そういうことではないらしい…。
ミスであったとすれば、処理は可能であり、どうにか謝ったり、何かしらの解決策はあると思ったのですが、機械システム上処理が行えないと言われました。最終的に署長さんらしき人の説明によると、最近マッサージライセンス下のお店においてブラックマネーが動き、それが名義変更を巧みに使い行われていたようです。その規制のためにこのようなシステムを設けたので、お店のライセンスを一度取得すると、同名義での更新以外の場合は、再取得を行わなければいけないので、ライセンスが切れてから、もしくは返還してからの再申請となります。つまり、ライセンスの取り直しです。通常マッサージライセンスの取得には2か月間かかります。
つまり、Director変更(取得者変更)を行う際は2か月間の営業停止を余儀なくされるのです。これはライセンスが住所とも紐づいているため、同住所におけるライセンスは同時に発行できないことも影響しています。これが発覚したのが、2018年12月のNexの更新のタイミングでの出来事でした。
警察すら理解していない
そしてすごく厄介なのが、仕様変更後の初のイレギュラーで複雑な事例だったために、警察の人も正しく理解できておらずに、「インターネットで更新の手続きをしてよ」と言われるのみでなかなか話が、進まず、本当に三者三様の説明をされてしまいます。その為、警察・僕ら・コンサルタントがしっかりとマッサージライセンスを理解するのに時間を要しました。
署長も出てきて、理解ができたところで、結論は再取得しなくてはいけない。では「次にどのくらいの期間?」という課題が残ります。そこはさすが署長でした。優しさに感動です。2か月の処理を2週間(10営業日)で行ってくださると約束してくださいました。もうこれはどう頑張っても避けられないので受け入れざるを得ないです。そこでいつから休むのかという話ですが、もうライセンス期限を切れるの待つほかありません。僕らにはライセンスを変換できる申請ができる人間がすでにVISAを変換してしまっていたので…。
そこから12月にNex店、1月末~2月頭でSuntec店、2月後半でSingpost店の再取得を行い、無事に本日より全店舗営業再開となりました。本当にイレギュラーばかりで、胃がキリキリするような体験ばかりです。単純に合計6週間お店が空いていないのでその分の売上は大幅に落としてしまいます。そしてライセンスもしっかりと取り直せるかという不安もあります。しかも、警察も自体がちゃんと理解できているのかという恐ろしい状態を、やっと乗り切りました。
この経験から学んだこと
まず、間違いなくマッサージライセンスに関しての知識は圧倒的につきました。しかも、この中で警察・コンサルタントと密に連絡を取っていたのでこことの人間関係をしっかりとできました。これが何よりも強いと思います。決して僕はコンサルタントではないので、ライセンスの取得をお手伝いすることはできませんが、相談に乗ったり、アドバイスやいいコンサルタントをご紹介する事ならできると思います。
また、全く図れないものですが、「乗り切る力」という能力があったとすれば、確実に経験値3くらいは積んだと思います。本当に、一歩間違えたら【Dr.ストレッチシンガポールから撤退】なんてことがありえただけに、嬉しさもひとしおです。
これからもきっとこんな予期せぬ困難や、問題が幾度となく発生する事と思いますが、そんなときもしっかりと問題の本質をいち早くつかみ、最小限にダメージを抑え、結果としてプラスに変えるぐらいの気持ちで乗り越えていきたいです。
まとめ
この問題解決のために、各店舗営業停止となってしまい、特にお店を利用してくださっていたお客様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。それでも、店舗を変えてまで利用してくださるお客様が居たり、再開後すぐに利用してくださる方もいたりで、本当にお客様に助けられて、今があります。この感謝の気持ちを忘れずに、サービスの質をしっかりと高めていく努力をこれからも続けていきたいです。そして、そのお客様にサービスを提供しくれるスタッフ達にも本当に感謝です。
また今日から気合を入れて頑張りましょう!!!
Tom Yoshida